ピアノ教本「ハノン」
サックスのレッスンでは、指のトレーニング向けの「ハノン」「ピシュナ」「ツェルニー」などのピアノ教本の練習を推薦しています。
サックスのフィンガリング強化に最適
ピアノを練習した後にサックスに持ち替えると、キーのバネ圧がとても軽く感じます。指一本一本の分離感が良くなってキーのタッチ感や開閉コントロールが明確に意識できるようになります。
特にサックスで指が絡まりやすいクロスフィンガリングが上手くなります。(ピアノは一音ずつ全部クロスフィンガリングしているのと同じ。曖昧に指を動かすと二つの音が同時に鳴ってしまいます)
パームキーやテーブルキーなどサックス独自のキーシステムは本体を触らないと練習できませんが、鍵盤楽器を練習することでサックスのコントロールが総合的に上達するのは明らかです。
関節
ピアノは指の第3関節で支えるイメージですが、サックスの場合には第2関節がしっかりしていないとフォームが乱れて指が高く上がってしまいます。
ピアノとサックスの指や手首の支え方は少し違うのですが、いつもと異なる練習を取り入れることで双方に練習効果が出るように感じます。
サックスのフィンガリングで指が不必要に高く上がってしまう方には、鍵盤楽器の練習でフォームを修正するのがオススメです。
ゆっくり練習する
サックスもピアノの練習も同じで、少し慣れるとすぐにテンポ上げて練習したくなってしまうのですが、急激にテンポを上げないようにして指先と脳のコントロールに集中します。
管楽器の場合には、長いフレーズをゆっくり吹くと息が苦しいので工夫が必要ですが、ピアノは慌てずゆっくりの練習がやりやすいです。
単音楽器ではないので、できない箇所を何度も繰り返し練習しないと弾けるようになりません。ピアノ上級者や器用な方でなければ、右手と左手は別々に練習します。片手だけでコントロールできない状態でいきなり両手で練習しても音楽的には弾けないと思います。
チューニング
ピアノを弾いた後にサックスを吹くと、サックスのチューニングが不安定であることが実感できます。
サックスは日頃の練習の時にチューニングに気をつけていないと、いつの間にかズレている音に耳やカラダが慣れてしまいます。チューニングの感覚や音色をリセットさせるにも鍵盤楽器を練習することは効果があります。
ハノンをサックスで吹く
音域をサックスに合わせて「ハノン」を吹いてみるのも良い練習方法です。
1小節の短いパターンをスケールで上下スライドさせる練習は、単純に音名を読むだけでも楽譜を読む練習になります。
サックスの楽譜はト音記号ですが、ピアノの楽譜を読むことでヘ音記号を学ぶことができます。
サックスの楽譜をピアノで弾いてみる
鍵盤楽器をサックス練習として取り入れることで、コード進行やアドリブ、音楽制作、指のトレーニングなどに幅広く応用することが可能です。
サックスレッスンで練習しているスケールやコードを覚えるときは、鍵盤楽器で練習すると視覚的に整理できるので簡単です。
サックスの楽譜をピアノで弾くと移調がズレますが、気にせずサックスの楽譜を右手で弾いてみて下さい。
鍵盤楽器の導入
鍵盤楽器は手軽に弾き始めることができるから楽しい。手を洗ったらすぐに楽器に向かって練習ができてしまう。
電子ピアノやキーボードならば小さな音にしたりヘッドホンでも練習できるし、生ピアノは消音システム導入で防音対策できる。サックス吹きとしては憧れの消音環境で好きなだけ練習ができてしまいます。
音楽大学や音楽講師、専門家を目指す方は、サックスだけではなくピアノ演奏が実技試験に含まれますので早めに対策する必要があります。